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第二十六番 清滝寺 -有縁-

巡礼にタクシーを使うなんてとは思ったのだが、土浦から新治村への道は交通手段が限られており止むを得ず乗車した。運転手と、この地の名産の果物や廃線となった筑波鉄道の話などあれこれとする。思えば、この巡礼の旅で人とゆっくり話すのは初めてかもしれない。この辺りは紅葉の時期がいいんでしょうかねと訊くと、方言で良く聞き取れなかったのだが、どうやら、冬の方が空気が澄んでいて眺めが良い、ということらしかった。確かに筑波の山並みは冬空に映えそうである。

26kiyotaki清滝寺に着くと何となく観光気分だった。普段の巡礼では寺に向かう時に気持ちを極めていくのだが、運転手と話をしていたため全く極まっていなかった。息を整え、石段の参道を登り、仁王門を潜ると厳かな気持ちになって来る。観音堂の前に立つと無心となり、日頃の心の喧騒が消え去ってゆく。

朱印所に入ると住職がお茶を飲んでまったりとされており、喧騒とは無縁の様子であった。しかし、御朱印の書を印す時にはきりと真剣な表情に変わり、驚かされた。住職は筆を置くと、書を早く乾かすためにガーとドライヤーをかけ始めたのでまた驚かされた。

次の寺へと向かおうとすると、境内で猫が日向ぼっこをしていた。長閑な心持ちとなって幾分歩くと、寺の駐車場にバイクに乗った上下黒革スーツの若いカップルがバリバリと入ってきた。寺には無縁の二人にみえるが、バイクを止めて何処か観光に行くのだろうか。静寂を破られたなと思い少々残念だったが、男の方が言った台詞を聞いて、ほっとした気持ちになってしまった。

「寺でも見てぐ?」

世の中捨てたもんじゃない。

26kiyotaki2この地は小野小町所縁の土地であり、小町ふれあい広場という場所には小町に関する展示や農産物の直売所がある。此処のそば処にて天麩羅そばとそば寿司6個を食す。注文した時はそばとご飯もののセットを想像していたのだが、そば寿司は茹でたそばを油揚げで包んだものだった。店の人に余程のそば好きと思われただろうか。そばの香と揚げの甘みが程よく合い、良い風味であった。

十分に腹ごしらえをして一服した後、次の寺への長い長い道程を歩き始めた。

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