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第二十番 西明寺 -成長-

20saimyoujisteps陶芸の里、栃木県益子。真岡鐵堂の益子の駅を降り、田園風景を眺めつつ暫く歩くと長い石段に辿り着いた。上りきると六百年の歴史の重みを感じる楼門。近くに建つ三重塔は急な傾斜の屋根が独特の美しさを醸し出す。銅板葺の見事な屋根の観音堂は趣深く、静かな古刹にて過ごす時間を持てることに感謝の念が湧き出ずる。

此処に来れば見逃せないのは閻魔堂。扉の小窓から中を覗くと薄暗い御堂の中におわすのは「笑いの閻魔」。閻魔様が大きな口を開けて笑って居られるのは苦しんでいる人のためだそうである。死した後地獄に落ちようとも、大笑いしている閻魔様にお会いすることが出来ればあの世で元気に生きてゆく希望が湧いてくることだろう。

20saimyoujimap御堂で妄想した後に閻魔様に別れを告げようとすると、御堂の左奥の隅に人影が。よく見ると色褪せた像のようであった。暗闇の中で目を見開き一点を見詰めている像。怖い。怖すぎる。後で案内板の解説を見てみると、「奪衣婆」とあった。ああ、三途の川を渡る時に死者の衣類を無理矢理全部剥ぎ取るというお婆か。怖いはずだ。もっとも笑いながら服を脱がされたら余計怖いかもしれないが。これまでは閻魔様に怖ろしい印象を持っていたが、本当に怖いのはお婆で、閻魔様はフォロー役であるように見えてきた。

死んでからあの世に行って、生前の行いを咎められ叱られてばかりでは、かなり凹んでやる気を無くすだろう。怒られたり、優しくされたりしながら反省して成長してゆくのかもしれない。教育はいつの世もあの世でもアメとムチということか。

一息つき、境内を後にしようとしてふと楼門の屋根の上を見ると、何かの新芽が茅の隙間から大きく開いた空に向かってひうっと伸びていた。20saimyoujipagoda

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