文化・芸術

楽園の笛の音・五つ星の汗

東京国立博物館で「マーオリ 楽園の神々」を観てきた。やっぱりかの国ニュージーランドでもご先祖さんを大切にするのですな。まあ、先祖を大切にしない方がいいという国や教えもないと思うけれど。

民族楽器の笛の音が何とも素朴でよかった。自然と一体になれる気もしてくる。

平成館2階の半分のスペースのみを使用しての展示。これくらいの量の方が疲れずにしっかり観られる。

帰りに「デリー」で「カシミールカレー」を。辛さ五つ星でこの店最高だが、もっと辛くてもいける…と思った自分は、すでにカレー&辛いもの依存症だろうか。サラサラスープにゴロリとチキン&芋。スパイスガッツリだが体にはよさそうだ。

いい汗かいた。

「魯山人の宇宙」

横浜そごうで「魯山人の宇宙」展をやっていたので見に行った。特別な思い入れがある訳ではないが、北大路魯山人という人とその作品にちょっと魅かれるものがあった為。美食家で、自ら多くの芸術的な食器を作った陶芸家…という位のイメージしか持っていなかったのだが、陶芸を始めたのは40代になってからで、若い頃は書家を目指し、石などに字を刻んで印章を作る篆刻をやっていたとのこと。

しかし、遅いスタートであるにも拘らず、彼の美意識が具現した陶芸の作品群はかなり見応えあり。瀬戸、織部、志野などの特性を散りばめながらも独自の世界を表現しており、見飽きることがない。この食器にどんな料理を盛り付けたら美味しそうだろうか、と想像するのも楽しい。

織部花器、九谷風鉢、染付魚形向付等々…いずれも魅力的。いろいろある作品の中でどれが一番印象に残ったか考えたのだが、一つに絞ることは出来なかった。人と食事に行って「今日何食べる?」と聞いた時に、「んー、決められない。何でもいい~。」という答えが返ってきて困ってしまうことがあるが、やはり魅力的なものの中から一つを選ぶというのは至難なのである。たとえが稚拙か。

思うに、彼の作品の集合体が一つの作品であり、その空間が宇宙なのかもしれない。そして一つひとつの作品の中にも彼の宇宙があるに違いない。人間が表現するもの、その中には常にその人の宇宙があるのだろうか。

…あなたは何を表現している?…あなたの宇宙はどんな宇宙?

増長天と邪鬼

快慶の増長天について前回触れたが、自宅にも増長天がいたのを思い出し、ご登場いただいた。画像は鉾を持つ東大寺戒壇院タイプ。「空海と高野山」展の快慶による高野山式では剣を持っていた。表情といい、戦士の装束といいどの部分を見ても格好良いのであるが、気の弱い私はつい踏まれている邪鬼に同情してしまう。はっ、もしやこれは自分の中の邪心を自分自身が擁護しているということか?

心理学の一説によると、腰に手をあてているということは、身体的にも心理的にも準備が整っていることを表すらしい。また、自分にかなりの自信があることも表すであろう。増長天は、邪心なんかに負けないぞっ!いつでも迎え撃つ準備は出来ているぜっ!という強い心を表しているのか。必要なときに増長天に変身出来たらよいのだが…。

しかし、腰に手を当てるこのポーズ…右手に持っているのが牛乳ビンだったら、かなりの親しみを覚えると思うのだが…スミマセン。妄想です。


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「空海と高野山」

巡礼話からちょっと反れるが、東京国立博物館で開催された「空海と高野山」展の感想を。と言ってもお気に入り展示のメモだが。

・恵光童子像、制多伽童子像(運慶)
本展示のポスターを飾る代表的な像だけあり、ひと際目を引いた。どちらも目力が強く、また深い精神性を感じる。肌質のしっとり感と強い目との対比が印象深い。

・増長天(快慶)
 腰のひねりでこれほどの躍動感を演出するとは。千手観音とか十一面観音のような身体的特徴を持つ人は歴史上いなかったと思われるが、四天王って、もしかしたらこんな人いたかもしれないし、実際に出会ったら相当な迫力だろうと思う。像を見ていると自然と顔真似をしてしまったが、ふとわれに帰り、変な人だと思われていないか気になってそそくさとその場を去った。凡人なり。

その他、執金剛神立像の異形ぶりにも驚かされた。観音ファンとしては聖観音造立願文や十一面観音の儀軌を見ることが出来たのも嬉しかった。今回の思わぬヒットのひとつは狩野探幽筆による釈迦三尊像。釈迦ではなく、脇侍の文殊菩薩にまいった。女性として表された菩薩は、髪の毛のサラサラ感が妙に色っぽく魅力的。面持ちが、その昔お付き合いしていた人にどこか似ていた。狩野探幽、ハマりそう…。

帰路、スーパーで高野山金胡麻豆腐を買って帰る。つくづく影響されやすい私。吉野葛を使用した滑らかな舌触りの胡麻豆腐は香り芳しく、こく深い美味しさ。みそだれを付けていただくと、豊かな風味が口の中にほわりと広がる。むむ、これもまた高野の秘宝か。これはいつの日か必ず高野に行かなくては。

2013年12月
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