巡礼話からちょっと反れるが、東京国立博物館で開催された「空海と高野山」展の感想を。と言ってもお気に入り展示のメモだが。
・恵光童子像、制多伽童子像(運慶)
本展示のポスターを飾る代表的な像だけあり、ひと際目を引いた。どちらも目力が強く、また深い精神性を感じる。肌質のしっとり感と強い目との対比が印象深い。
・増長天(快慶)
腰のひねりでこれほどの躍動感を演出するとは。千手観音とか十一面観音のような身体的特徴を持つ人は歴史上いなかったと思われるが、四天王って、もしかしたらこんな人いたかもしれないし、実際に出会ったら相当な迫力だろうと思う。像を見ていると自然と顔真似をしてしまったが、ふとわれに帰り、変な人だと思われていないか気になってそそくさとその場を去った。凡人なり。
その他、執金剛神立像の異形ぶりにも驚かされた。観音ファンとしては聖観音造立願文や十一面観音の儀軌を見ることが出来たのも嬉しかった。今回の思わぬヒットのひとつは狩野探幽筆による釈迦三尊像。釈迦ではなく、脇侍の文殊菩薩にまいった。女性として表された菩薩は、髪の毛のサラサラ感が妙に色っぽく魅力的。面持ちが、その昔お付き合いしていた人にどこか似ていた。狩野探幽、ハマりそう…。
帰路、スーパーで高野山金胡麻豆腐を買って帰る。つくづく影響されやすい私。吉野葛を使用した滑らかな舌触りの胡麻豆腐は香り芳しく、こく深い美味しさ。みそだれを付けていただくと、豊かな風味が口の中にほわりと広がる。むむ、これもまた高野の秘宝か。これはいつの日か必ず高野に行かなくては。
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